LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―


走るうちに、完全に暗くなった。


やがて、安豊寺の自宅の明かりが見え始める。


そのころには、早歩き程度のスピードになっていた。



安豊寺はせわしない呼吸をしている。


一度耳につくと、ひどく気になった。


色っぽいように聞こえて、焦る。


そんな呼吸の仕方、するなよ。



オレは、安豊寺と師央に訊いた。


つっけんどんな口調になった。



「歩くか? もう襲撃はないと思うぞ」



安豊寺と師央は足を緩めた。


二人とも肩で息をしている。


安豊寺が、また、オレに手を伸ばそうとした。


見下ろすと、サッと手を引っ込めた。


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