LONELY GUARDIAN―守り人は孤独と愛を歌う―
「あ、あの、ケガ、大丈夫、ですか?」
息の多いしゃべり方に、ドキッとした。
安豊寺の黒い前髪が汗に濡れている。
軽く開かれた唇。真剣な表情の目。
オレはそっぽを向いた。
師央と目が合いかけて、足元を見た。
「これくらい、慣れてる。安豊寺は無傷だろ?」
「はい」
「じゃあ、いい。気にするな」
「気に、しますっ。ちょっと、腕、貸してっ」
オレの左腕に安豊寺の手が触れた。
ザワッと、寒気に似たものが背筋に走る。
触れてくる手を払いのけようとして、左腕がビクリとする。
安豊寺が小さく首をすくめた。
いけない。
払いのけて、傷付けては、いけない。