オカンとたっくんの心霊事件簿
「おはよー。」
リビングへ行くと、リョウもアキももう朝食を終えるところだった。
リョウは我が家の長男。
小5で最近やたら生意気になった。
いっちょ前に私のことをオカンと呼ぶ。
ちょっと前まで【母さん】と呼んでて可愛かったのに…。
アキは我が家の長女。小3。
ちょっとクールな女の子。友達を家に連れてくることもほとんどなく、一人の時間を好むちょっと変わった子。
けど、長女だけあってとてもしっかりしていて、私もとても助かっている。
たっくんのこともすごく可愛がっていたので、あの日からだいぶ口数が減っているのが私にはとても気がかりだった。
夫の和彦さん。
私より5つ上のサラリーマン。
イケメンでとてもしっかりしていて、私の至らないところをさりげなくサポートしてくれるナイスガイ。
…と、ちょっとべた褒めしてみる。
イケメンかどうかはさておき、とても頼りになる夫である。
「………。」
自分の椅子に座ろうとした私だったが、自分の椅子へ視線を移し動きが止まる。
「早苗?どうした?」
突然フリーズする私へ夫が声をかけたが、私の思考回路はストップしていた。
なぜなら、私の椅子に知らない男性が座っていたのだ。
淡い栗色の短髪に、整った顔立ち。
なかなかなイケメンな男性が、私の椅子に座りテレビを見ている。
―――誰――!!?
イケメンだが他人だ!!
なのに、誰一人として彼のことを突っ込まない。
『佐々木さんだよ。』
フリーズしている私の横で、ふよふよと宙に浮きながらたっくんが言った。
「…へ?あ!?さ、佐々木さん!?」
私の言葉に夫と子どもたち、そして佐々木さんとやらが一斉にこっちを向いた。
夫と子どもたちは不可解な目をしているが、佐々木さんとやらはニコニコ笑いながら手を降っている。
「……トイレへ行ってくる。」
クルリと後ろを向き、トイレへ向かう。
リビングを出た私は
「たっくん、佐々木さんって誰!?」
と聞いた。
「てか、たっくん浮いてる!!」
ふよふよと浮いてるたっくんに驚く私。
『うん、ボク、幽霊だからね。―佐々木さんは、ボクが産まれた時からこの家にいたよ。ボクが死んだ時、ここへ来たら佐々木さんが迎えてくれたんだ。佐々木さんがずっとボクの側にいてくれて、いろいろ教えてくれたんだよ。』
「へ、へー……って!!たっくんが産まれた時からここにいた!?え!?どういうこと!?……まさか…?」
『佐々木さんも幽霊。』
ニコニコしながらたっくんが言った。
『やほー!』
真後ろから声がした。
振り替えると至近距離に佐々木さんが立っていた。
「………!!!!」
声にならない声をあげる。
心臓が止まるかと思った。思わずヘナヘナとその場に座り込む。
『あはは。ごめんね。びっくりした?いやー、いつ俺の存在に気付くかな~と思ってたら…やーっと気付いたねー。』
ニコニコしながら佐々木さんが言った。
すごくイケメンだとは思うけど、幽霊って分かったら恐怖心しかない!!!!
心臓がバクバクしている。
『そんなに怖がらないでよ。たっくんは平気でしょ?俺も同じ同じ。』
自分を指差し笑う佐々木さん。
いや、たっくんと同じ幽霊なのは分かるけど…
たっくんは我が子!!たとえ幽霊でも我が子!全然怖くない!
けど!あなたは他人だ!
生きてようが死んでようが、他人が家にいるのは恐怖だよ!!
と、言いたかったが声にならなかった…。
『実は、だいぶ前から俺ここにいるんだよね。これからよろしくねっ!』
さらりとこのままここへ住み着く宣言をする佐々木さん。
いやいやいや!困るよ!
たっくんならまだしも!あなた他人だし!!
『大丈夫、大丈夫。プライバシーは守るからさ。』
まるで私の心を読んでるのかのようにニコニコしながら佐々木さんは言った。
『オカン、佐々木さんは大丈夫だよ。いい人だから。』
何をもっていい人なのか分からないが、たっくんまで彼のことを大丈夫だと言ったのだった。
正直、他人が家にいるのは、ましてや幽霊がいるのは嫌だったが、追い出そうにもどうしていいのか分からず、私は小さく「…よろしく…。」と呟くのが精一杯だった。
リビングへ行くと、リョウもアキももう朝食を終えるところだった。
リョウは我が家の長男。
小5で最近やたら生意気になった。
いっちょ前に私のことをオカンと呼ぶ。
ちょっと前まで【母さん】と呼んでて可愛かったのに…。
アキは我が家の長女。小3。
ちょっとクールな女の子。友達を家に連れてくることもほとんどなく、一人の時間を好むちょっと変わった子。
けど、長女だけあってとてもしっかりしていて、私もとても助かっている。
たっくんのこともすごく可愛がっていたので、あの日からだいぶ口数が減っているのが私にはとても気がかりだった。
夫の和彦さん。
私より5つ上のサラリーマン。
イケメンでとてもしっかりしていて、私の至らないところをさりげなくサポートしてくれるナイスガイ。
…と、ちょっとべた褒めしてみる。
イケメンかどうかはさておき、とても頼りになる夫である。
「………。」
自分の椅子に座ろうとした私だったが、自分の椅子へ視線を移し動きが止まる。
「早苗?どうした?」
突然フリーズする私へ夫が声をかけたが、私の思考回路はストップしていた。
なぜなら、私の椅子に知らない男性が座っていたのだ。
淡い栗色の短髪に、整った顔立ち。
なかなかなイケメンな男性が、私の椅子に座りテレビを見ている。
―――誰――!!?
イケメンだが他人だ!!
なのに、誰一人として彼のことを突っ込まない。
『佐々木さんだよ。』
フリーズしている私の横で、ふよふよと宙に浮きながらたっくんが言った。
「…へ?あ!?さ、佐々木さん!?」
私の言葉に夫と子どもたち、そして佐々木さんとやらが一斉にこっちを向いた。
夫と子どもたちは不可解な目をしているが、佐々木さんとやらはニコニコ笑いながら手を降っている。
「……トイレへ行ってくる。」
クルリと後ろを向き、トイレへ向かう。
リビングを出た私は
「たっくん、佐々木さんって誰!?」
と聞いた。
「てか、たっくん浮いてる!!」
ふよふよと浮いてるたっくんに驚く私。
『うん、ボク、幽霊だからね。―佐々木さんは、ボクが産まれた時からこの家にいたよ。ボクが死んだ時、ここへ来たら佐々木さんが迎えてくれたんだ。佐々木さんがずっとボクの側にいてくれて、いろいろ教えてくれたんだよ。』
「へ、へー……って!!たっくんが産まれた時からここにいた!?え!?どういうこと!?……まさか…?」
『佐々木さんも幽霊。』
ニコニコしながらたっくんが言った。
『やほー!』
真後ろから声がした。
振り替えると至近距離に佐々木さんが立っていた。
「………!!!!」
声にならない声をあげる。
心臓が止まるかと思った。思わずヘナヘナとその場に座り込む。
『あはは。ごめんね。びっくりした?いやー、いつ俺の存在に気付くかな~と思ってたら…やーっと気付いたねー。』
ニコニコしながら佐々木さんが言った。
すごくイケメンだとは思うけど、幽霊って分かったら恐怖心しかない!!!!
心臓がバクバクしている。
『そんなに怖がらないでよ。たっくんは平気でしょ?俺も同じ同じ。』
自分を指差し笑う佐々木さん。
いや、たっくんと同じ幽霊なのは分かるけど…
たっくんは我が子!!たとえ幽霊でも我が子!全然怖くない!
けど!あなたは他人だ!
生きてようが死んでようが、他人が家にいるのは恐怖だよ!!
と、言いたかったが声にならなかった…。
『実は、だいぶ前から俺ここにいるんだよね。これからよろしくねっ!』
さらりとこのままここへ住み着く宣言をする佐々木さん。
いやいやいや!困るよ!
たっくんならまだしも!あなた他人だし!!
『大丈夫、大丈夫。プライバシーは守るからさ。』
まるで私の心を読んでるのかのようにニコニコしながら佐々木さんは言った。
『オカン、佐々木さんは大丈夫だよ。いい人だから。』
何をもっていい人なのか分からないが、たっくんまで彼のことを大丈夫だと言ったのだった。
正直、他人が家にいるのは、ましてや幽霊がいるのは嫌だったが、追い出そうにもどうしていいのか分からず、私は小さく「…よろしく…。」と呟くのが精一杯だった。