オカンとたっくんの心霊事件簿
「取り上げ…ご飯食べよ…。」
椅子に座り、いただきますと手を合わせる。
味噌汁にご飯に、ベーコンと目玉焼きとちょっとしたサラダ。
夫の作る朝食はいつもこのメニューだ。
夫への有りがたさを噛み締めながら朝食を食べたのだった。
片付けながら、ふと視線を感じ、そこへ目をやった。
「………!!」
リビングのドアを少し開け、その隙間から先ほどトイレにいたシズルさんという女性が覗いている。
って、怖いから……!!
こっちを見るなら、そんな覗かないで堂々と入ってきてよ!まだそっちの方がマシだわ!!
彼女はしばらく私を見つめたあと、不意に視線をそらし、違うところを見つめだした。
思わず、その視線の先に私も目をやる。
そこには佐々木さんがいた。
もう一度彼女の方に目をやると、彼女はジーッと佐々木さんを見ている。
ははーん……
これは、ピンときましたよ。
女の勘ってやつですか…。
私は彼女が幽霊ということをすっかり忘れ、すすすっと彼女へと近寄る。
そして、ドア越しに
「もしかして…、佐々木さんのことが好きなの?」
と聞いた。
彼女はハッとした顔をし、すごい勢いでブンブンブンブンと首をふる。
やだー、分かりやすーい。
「彼、イケメンだもんね~。」
私の言葉に、彼女の表情が変わる。
目をカッと見開き、目が血走る。
みるみる口が裂け、恨みつらみの表情になっていく。
私の脳裏に彼女が幽霊だということがよみがえる…。
いや、その顔…怖いから…。
冷や汗がダラダラと流れ落ちる。
『彼は…誰にも……渡さない……。』
ポツリとシズルさんが呟いた。
いやいやいや!別に、私は佐々木さんのことなんとも思ってないから!!
その顔、本気でやめて!?怖いから!!
恐怖で声が出ない。
シズルさんはゆっくりとリビングのドアを開けこちらへと手を伸ばす。
佐々木さんの方をちらりと見ると、彼女に全く気付いてないようで、テレビを見ながらゲラゲラ笑っていた。
私は必死になって声を絞り出す。
「ち…違う…。私は彼のこと…好きとかじゃ…ないからね…?」
私の言葉に、シズルさんの動きが止まった。
パッと元の顔へと戻り
「……そう…ですか。ごめんなさい…。」
頬を赤くしてそう言った。
なんか、反応が極端じゃない!!?ちょっと!!怖かったんだけど!!
またあんな怖い顔になってはたまらない。
先手必勝!!
「私は、夫意外の男性には興味がないから!」
そう、宣言した。
それを聞いたシズルさんは、安心したようにニッコリと微笑んだのだった。
椅子に座り、いただきますと手を合わせる。
味噌汁にご飯に、ベーコンと目玉焼きとちょっとしたサラダ。
夫の作る朝食はいつもこのメニューだ。
夫への有りがたさを噛み締めながら朝食を食べたのだった。
片付けながら、ふと視線を感じ、そこへ目をやった。
「………!!」
リビングのドアを少し開け、その隙間から先ほどトイレにいたシズルさんという女性が覗いている。
って、怖いから……!!
こっちを見るなら、そんな覗かないで堂々と入ってきてよ!まだそっちの方がマシだわ!!
彼女はしばらく私を見つめたあと、不意に視線をそらし、違うところを見つめだした。
思わず、その視線の先に私も目をやる。
そこには佐々木さんがいた。
もう一度彼女の方に目をやると、彼女はジーッと佐々木さんを見ている。
ははーん……
これは、ピンときましたよ。
女の勘ってやつですか…。
私は彼女が幽霊ということをすっかり忘れ、すすすっと彼女へと近寄る。
そして、ドア越しに
「もしかして…、佐々木さんのことが好きなの?」
と聞いた。
彼女はハッとした顔をし、すごい勢いでブンブンブンブンと首をふる。
やだー、分かりやすーい。
「彼、イケメンだもんね~。」
私の言葉に、彼女の表情が変わる。
目をカッと見開き、目が血走る。
みるみる口が裂け、恨みつらみの表情になっていく。
私の脳裏に彼女が幽霊だということがよみがえる…。
いや、その顔…怖いから…。
冷や汗がダラダラと流れ落ちる。
『彼は…誰にも……渡さない……。』
ポツリとシズルさんが呟いた。
いやいやいや!別に、私は佐々木さんのことなんとも思ってないから!!
その顔、本気でやめて!?怖いから!!
恐怖で声が出ない。
シズルさんはゆっくりとリビングのドアを開けこちらへと手を伸ばす。
佐々木さんの方をちらりと見ると、彼女に全く気付いてないようで、テレビを見ながらゲラゲラ笑っていた。
私は必死になって声を絞り出す。
「ち…違う…。私は彼のこと…好きとかじゃ…ないからね…?」
私の言葉に、シズルさんの動きが止まった。
パッと元の顔へと戻り
「……そう…ですか。ごめんなさい…。」
頬を赤くしてそう言った。
なんか、反応が極端じゃない!!?ちょっと!!怖かったんだけど!!
またあんな怖い顔になってはたまらない。
先手必勝!!
「私は、夫意外の男性には興味がないから!」
そう、宣言した。
それを聞いたシズルさんは、安心したようにニッコリと微笑んだのだった。