死神さんのお仕事
「ちょうどいい。
芽衣さん、御両親が来たわよ。」

私がそう言い終わる前に芽衣は、

親のもとへと走って行った。

しかしーー。

するっ。

親に抱きつこうとした芽衣の身体は

そのままするっと親の身体を

すり抜けてしまった。

何も見えていない親は、芽衣の

ベッドへと歩いて行き、

「もう苦しまなくてもいいんだよ。
天国で幸せにね。」

などと芽衣の遺体に語りかけている。

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