ハートブレイカー
私は確かにガバッと上体を起こした。
でもすぐドサッと後ろに倒れてしまった。
「急に起きるな」
「・・・あ。なんで・・・」
「直哉が俺に電話をくれた」
え?あのときスマホで連絡取ったの、救急車じゃなかった・・・ていうか。
「直哉!直哉は!」
今度はガバッと上体を起こしたままでいられた。
「焦るな愛美。あいつは今、俺んちにいる。正確に言うと、俺の実家で母と一緒にいる」
「な・・・あ、仕事!」
「しばらく休むと連絡済みだ。ついでに直哉の託児所にも休むと連絡入れといたぞ」
「あ・・・どうやって?」
「おまえのスマホで番号知った。悪いが中、見させてもらったぞ」
今更でしょ。
「別に・・」
「ついでに派遣会社の松本さんにも連絡入れといた。入れなくてもよかったのかもしれないが、一応な」
「ううん、そうしてくれて助かる。ありがとう・・・ございました」
これも今更だけど、丁寧語に戻してみた。
彼は年上だし。
他人行儀な距離置いておきたいという、ささやかな反抗心をこめて。
思ったとおり、彼はフンと鼻で笑った。
でもすぐドサッと後ろに倒れてしまった。
「急に起きるな」
「・・・あ。なんで・・・」
「直哉が俺に電話をくれた」
え?あのときスマホで連絡取ったの、救急車じゃなかった・・・ていうか。
「直哉!直哉は!」
今度はガバッと上体を起こしたままでいられた。
「焦るな愛美。あいつは今、俺んちにいる。正確に言うと、俺の実家で母と一緒にいる」
「な・・・あ、仕事!」
「しばらく休むと連絡済みだ。ついでに直哉の託児所にも休むと連絡入れといたぞ」
「あ・・・どうやって?」
「おまえのスマホで番号知った。悪いが中、見させてもらったぞ」
今更でしょ。
「別に・・」
「ついでに派遣会社の松本さんにも連絡入れといた。入れなくてもよかったのかもしれないが、一応な」
「ううん、そうしてくれて助かる。ありがとう・・・ございました」
これも今更だけど、丁寧語に戻してみた。
彼は年上だし。
他人行儀な距離置いておきたいという、ささやかな反抗心をこめて。
思ったとおり、彼はフンと鼻で笑った。