ハートブレイカー
「眠っている浪川さんにずっとつき添っていた海堂さんは、とても心配されてましたよ。それに直哉くん？息子さんのことを気遣うことも忘れなかった」
「あ・・・」
「自分の母親が目の前で倒れてしまったんです。直哉くんは何度も大丈夫って言っていたけど、ショックを受けていることは確かです。 もうそういうことが起こらないよう、そしてご自身のためにも、心理的負担は減らしてください」
「ど、どうやって・・・」
「事情は分からないけど、たまには海堂さんを頼ってもいいじゃないですか。あの人は直哉くんのお父さんでしょう？」
「あは、はは・・・」

あぁ、乾いた笑い声しか出せない。
しかも顔引きつって・・・どこまで可愛くない女だ、私は。

< 110 / 223 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop