ハートブレイカー
これは私が私じゃなくなる序章、みたいな。
「葬送行進曲」の物悲しいピアノの旋律が、なぜか耳に響き渡っている気が・・・。
って、不吉すぎる!

せっかく体力戻ってきたんだから、心労を減らさないと!
先生だってそう言ってたじゃないの!

でも直哉・・・私のことを寂しがるより、「パパ」と一緒にいることを、すごーく楽しんでた。
声が弾んでたし。
「男同士気が合う」とか、横から低い声も聞こえたし。

つまり、あの二人は上手くやってるってことで。

・・・私がいなくなっても、直哉は大丈夫だ。
父親と祖父母がいれば・・・。

何よ。 私が寂しがる必要ないのに!

もしかしたら海堂さん、直哉を連れて来てくれないかも・・・。

あぁダメだ。
つい弱気なことばかり考えてしまう。
あの人が支えてくれたと実感してから、今まで私が一人で必死に築いてきた軸が、グラグラと揺れ始めている。

4年近くかかって、ここまで育てた軸が、いとも簡単に折れそうになって・・・。
どれだけ影響力持ってるのよ、あの人は!

いろんな意味で、すごく悔しい!

< 116 / 223 >

この作品をシェア

pagetop