ハートブレイカー
12
海堂さんにキスされてる。
その事実を、醒めた私が他人事のように思う。
一方で、徐々に・・徐々に私の中で眠っていた熱が、少しずつ目覚 めていく。
海堂さんの手は私の頭を、もう片方の手は私の腰に添えて、というより、思いきり引き寄せて、密着させている。
自由な右手で押し返しても、びくともしない。
直哉の手をつないでいた左手は、スルリとほどけてしまった。
やだ。硬く引き締まった彼の体の感触が・・・。
彼の温もりが・・・。
『後悔してももう遅い。おまえは俺を・・・目覚めさせた』
「さく・・ぃ、や・・・」
「まだだ、と・・・言ってるだろ・・・」
彼の唇が、私の唇を自由自在に貪る。
まるで自分のものだと言わんばかりに、力強く吸いついてくる。
かと思えば、繊細なものを扱うように、そっと啄ばむ。
何が「まだ」なの!
言いたいことあるなら、キスしないで言ってよ!
その事実を、醒めた私が他人事のように思う。
一方で、徐々に・・徐々に私の中で眠っていた熱が、少しずつ目覚 めていく。
海堂さんの手は私の頭を、もう片方の手は私の腰に添えて、というより、思いきり引き寄せて、密着させている。
自由な右手で押し返しても、びくともしない。
直哉の手をつないでいた左手は、スルリとほどけてしまった。
やだ。硬く引き締まった彼の体の感触が・・・。
彼の温もりが・・・。
『後悔してももう遅い。おまえは俺を・・・目覚めさせた』
「さく・・ぃ、や・・・」
「まだだ、と・・・言ってるだろ・・・」
彼の唇が、私の唇を自由自在に貪る。
まるで自分のものだと言わんばかりに、力強く吸いついてくる。
かと思えば、繊細なものを扱うように、そっと啄ばむ。
何が「まだ」なの!
言いたいことあるなら、キスしないで言ってよ!