ハートブレイカー
「あつっ・・・」

確かにここは狭いけど、ぶつかるほどの狭さじゃないのに・・・。
それに、わざと聞こえるように言った「つぶやき」。

誰が誰に取り入ってんのよ!むかつく!

「それに彼の好み、違うじゃないの」

彼がミルクティー?
しかも砂糖1つとか・・・。
家で紅茶を飲んでる姿を一度も見たことがないんですけど。

ていうか、彼はN社のコーヒーマシーンで淹れたエスプレッソしか飲まない。
だから会社(ここ)にもN社のコーヒーマシーン置いてるんでしょ! ったく・・・。

ジンジンと痛む左手のことは無視して、私は一からコップを用意し直した。

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