ハートブレイカー
何でこんなに悲しいのか、自分でもよく分からない。
彼と自分を重ねているのか。
実は嬉しいのか。
彼から「必要とされている」と匂わされたからか。
彼の誕生日を喜んでいるのか。

いろいろな感情が入り混じって・・・分からない。

彼のシャツをギュッと握りしめてワンワン泣く私を、彼は抱きしめてくれていた。
背中や髪を、なだめるようになでてくれる。

どうしてこの人は・・・こんなに優しいのよ。

「直哉は来月が誕生日だろ?」
「ん」

彼が私を抱き上げて、ベッドへ連れて行った。
昨日みたいに前後ではなく、隣同士に座った。
泣き疲れた私を、彼は自分の肩あたりによりかからせた。
逆らう力もない私は、彼のなすがまま、そのままでいた。

意外と・・・心地良い。

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