ハートブレイカー
翌朝目が覚めると、私は自分にあてがわれている部屋のベッドにい た。
もちろん、ひとりで。

あぁ、彼がここまで運んでくれたんだ!

慌ててガバ起きし、リビングへ行く。
すると、彼と直哉から「おはよう」と言われた。

「お・・はよ、う」
「ママー。パパがね、ほっとけーきつくってくれるって!」
「休みの朝食だ。おまえも食べるか。それともいつものほうがいい か」
「あ。いえっ。ホットケーキではい、お願いします」

低姿勢な私に、彼がククッと笑ったのは気のせいでしょうか。

「あの」
「何だ」
「昨日はそのー・・・ありがとうございました。重かったでしょ、 私。しかも熟睡してたから余計重く感じたんじゃ・・・」
「軽かった。だがここに移ってきてから、少し肉がついたな」
「げ」

ついおなか周りや二の腕あたりを見て、自分の両頬をつまむと、また彼にククッと笑われた。
・・・悔しい。

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