ハートブレイカー
「・・っ・・うっ・・・」

報われた。
そして救われた。
そんな気持ちがドッとせり上がってきた。

直哉を生んで育てる。
それしか私にはなかった。
他は考えられなかった。

だって直哉は、私と・・・朔哉さんの子だから。

彼がまた体を離した。
今度は顔を近づけてくる。

あれ?これは・・・!

「マナ・・・」
「あ、あのっ」

彼がピタッと止まった。
でも・・・超至近距離、なんですけど。

切れ長の目を覆っている長いまつ毛が、アップで見えるくらいに!

「何だ」
「か、かのじょ・・・いるの」

< 210 / 223 >

この作品をシェア

pagetop