ハートブレイカー
「とにかく。愛美、俺の秘書にならないか」
「お断りします」
「何だと」
彼と私の視線が絡み合う。
バチバチと音を立てて火花が散りそうなほど、その場がヒートアップする。
そのとき、彼がフッと笑った。
「まあいい。人事のことはおいおい考えるとしよう」
彼が私のほうへ歩いてきた。
みんなは自然と道を開けて、彼を通りやすくする。
「今日も直哉を一緒に迎えに行こう」
「残業だって言ってなかった?」
「かもしれない。おまえもだろ」
「たぶん。連休明けだし」
「マックス1時間だ。それまでに仕事を終わらせろ」
「分かりました」
彼が私の髪をすくい上げて、首筋にそっと触れた。
あ。もしかして、痕・・・。
咄嗟に彼の手ごと押さえるように首に手を当てる。
「じゃあ後で」
「・・・後で」
首に当てた手がスルリと落ちて、彼の手と絡み合った。
ハートブレイカー 完
「お断りします」
「何だと」
彼と私の視線が絡み合う。
バチバチと音を立てて火花が散りそうなほど、その場がヒートアップする。
そのとき、彼がフッと笑った。
「まあいい。人事のことはおいおい考えるとしよう」
彼が私のほうへ歩いてきた。
みんなは自然と道を開けて、彼を通りやすくする。
「今日も直哉を一緒に迎えに行こう」
「残業だって言ってなかった?」
「かもしれない。おまえもだろ」
「たぶん。連休明けだし」
「マックス1時間だ。それまでに仕事を終わらせろ」
「分かりました」
彼が私の髪をすくい上げて、首筋にそっと触れた。
あ。もしかして、痕・・・。
咄嗟に彼の手ごと押さえるように首に手を当てる。
「じゃあ後で」
「・・・後で」
首に当てた手がスルリと落ちて、彼の手と絡み合った。
ハートブレイカー 完