ハートブレイカー
しばらく会わない間に、父は小さくなったと思う。
でも相変わらず「威厳」はある。

「久しぶり。あのー、単刀直入に言うけど、お金貸してくれない? 20万でいいの。後で返すから」

これは本心だ。
この人たちに借りは作りたくない。
だからお金を借りるなんてことは、絶対したくなかった。

だけど・・・もうそんなことを言ってる余裕はない。
私だけなら野たれ死んでも頼まない。
でも、直哉がいる。
あの子まで野たれ死にさせるわけには、絶対いかない。
だからヘンなプライドだって捨ててやる。 この人に頭を下げることも厭わない。

でも父は私を見て・・・豪快に笑った。

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