ハートブレイカー
「そっ、そんな・・・ことっ、ぜったぃ・・許さな・・・い」
「おまえが決めることじゃない」
「・・・ぃゃ。私から・・・私から直哉を取り上げないで!」
一人興奮している私とは対照的に、向かいにいる彼は、相変わらず冷静で。
「おや?」という感じで片眉上げて、仁王立ちしてこっちを見て。
でも彼は、スッと伸びた長い指を、組んでる腕にトントンと打ち鳴らしている。
あれは彼の苛立ちのサインだと、私は知っている。
それに、髪をかき上げたさっきの仕草。
あれも彼がイラついたときにすることだ。
滅多になかったけど。
だてに私は彼の部下として、ただ一緒に仕事をしていたわけじゃない。
顔の表情が出ない分、他の部分で、声音で、彼の感情を読み取っていた約3年の成果が、今ここで出て・・・。
「おまえが決めることじゃない」
「・・・ぃゃ。私から・・・私から直哉を取り上げないで!」
一人興奮している私とは対照的に、向かいにいる彼は、相変わらず冷静で。
「おや?」という感じで片眉上げて、仁王立ちしてこっちを見て。
でも彼は、スッと伸びた長い指を、組んでる腕にトントンと打ち鳴らしている。
あれは彼の苛立ちのサインだと、私は知っている。
それに、髪をかき上げたさっきの仕草。
あれも彼がイラついたときにすることだ。
滅多になかったけど。
だてに私は彼の部下として、ただ一緒に仕事をしていたわけじゃない。
顔の表情が出ない分、他の部分で、声音で、彼の感情を読み取っていた約3年の成果が、今ここで出て・・・。