ハートブレイカー
「それより、あなたが二度と私たちに関わらなければ、私たちは離れずにすむでしょう?そんなことも分からないほど、あなたってアホでしたっけ」
「愛美(まなみ)。おまえは・・・」

無意識にだろうか。 あっという間に海堂さんが距離をつめた。
超至近距離で見る海堂さんの黒い瞳は、ギラギラ光っていた。

首締められて殺される、と思ったのは、ほんの一瞬だけだった。
なぜなら、彼の「ギラギラ」は、怒りから来ているものじゃないと分かったから。

この人、楽しんでる。

「俺をアホ呼ばわりした女は、おまえが初めてだ」
「それは・・・どうも」

謝ったほうがいいのかな。
でもこの人だって私をいたぶって怒らせたんだ。 誰が謝るもんか!

ってそこ!顔近づけるの、やめてくれませんか!


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