秒針のとまった世界で
小学生以来、久々の喧嘩をした。

怒っているのは彼女が出来たからじゃない。
黙っていたからだ。

僕がわるい。

だけど、僕なりに気を遣ったつもりだったから、喧嘩は激しくなっていく。

ぎくしゃくした関係が嫌で、いずれ話さなくなっていった。

周りからはどうしたのときかれる。

いつも一緒にいたのに。

違和感を感じているのは周りだけじゃない。

僕らが1番違和感を感じていたはずだ。

高校生にもなって謝るなんて恥ずかしいだとか、変なプライドが邪魔をする。

目があってもあわなかったフリ。

体が触れても気付かなかったフリ。

僕の心は、ポッカリ穴が開いたように寂しくなっていった。

< 13 / 28 >

この作品をシェア

pagetop