秒針のとまった世界で
待ち合わせ場所だった陽司の家に着くと、チャイムを鳴らした。

誰も出ない。
親も兄弟も出掛けているようだ。

18時はとっくにまわった。

永い永い一秒が、ゆっくりと過ぎていった。

陽も暮れて、22時。

陽司は来なかった。



わかってる。

陽司は死んだんだ。

来るわけがないことくらい…わかってるんだ…。
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