秒針のとまった世界で
陽司の家の前で座り込んでいた僕は、思い腰をあげて病院へと戻った。

腹の激痛が現実を物語る。

看護師にこっぴどく怒られたが、そんなこと耳に入らなかった。

病室にはもう…陽司はいなかった。

霊安室へと運ばれたらしい。

親友の死を受け入れることなんて出来ない。

僕は腹の傷を叩きながら涙が出なくなるまで泣いた。

陽司…陽司……

1時30分。

泣きつかれた僕は、眠りについた。
< 17 / 28 >

この作品をシェア

pagetop