ずっと好きだった。
「そんなことないよ。翔馬はよくやってたよ。

負けたのは翔馬のせいじゃな…」

「なにがわかんの?俺の」

「え?」

「お前に、なにがわかんだよ。

俺のこの気持ちは、お前にはわかんねーよ!

ほっとけよ!」

ビクッ。

「ご、めん。あたし。そんなつもり…」

「もういいよ。でてって。一人にしてくれ」

「でも‥「いいから!でてけって!」

あたしは、その場を離れるしかなかった。

翔馬があの時どんな顔だったか、どんな気持ちだったか、

あたしにはわからない。わかんないよ。

なんで…そんな事…。あたしは、翔馬の力にはなれないの?

翔馬の力になりたいよ…あたしは…

あたしは必死でホテルの外に出た。

「うっ…うぅ。なっんで…なんで!」

その場にうずくまって泣いて泣いた。

「あぁ。そう、でさ…あ。ごめん急用ができた。

またかけなおす。」

誰か来た…あぁ。このひどい顔が見られるのか。

「おい。みちる?なにやってんだよ。

こんなとこでこんな時間に」

佐伯先輩だ。この低い声。
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