ずっと好きだった。
「あと、2年生のときの合唱祭で、俺がふざけて音取れてないし、
終わったな俺たちのクラスって言ったらさ
お前に平手打ちくらって、教室静まり返ってさ。
あんときの言葉まだ覚えてるぞ、俺は。」
あたし、そんなことしたっけ?
平手打ち…。痛かっただろうな。
「『この合唱が完成しなくても、みんなが音が取れなくて下手くそでも、真剣に歌えば気持ちは届くよ!ふざけないで!』ってさ。」
「よく覚えてるね。恥ずかしい」
「恥ずかしくねーだろ。」
その後も、翔馬とあたしは3年間の記憶を掘り起こした。
語り合った。気づけば下校時刻になっていた。