ずっと好きだった。

あ。ちょうど別れた。

あたしとペアの人…あ。遥。

「よーし!乗ろー!」

ぎこちなく、乗り始める。

ゆっくりと回り始めたカップ。

遥を見るとまっすぐあたしを見てる。

「さっき、翔馬と何話してたんだ?」

「さっき?ああ、タオル貸してくれたから、その流れで話してたけど。」

「楽しそうに話してたな。俺といる時よりも」

「え。でも。遥といる時も、楽しいよ?」

「…そうか?」

遥はそれだけ言うと、また黙りこんでしまった。

あたしも、何話したらいいかわからなくて
黙ってしまった。

「うぅ。気持ち悪いー。道隆!回しすぎ!」

「えー?でもこーゆうのが好きだから、

コーヒーカップのりたかったんだろ?」

「違う!」

「あたし、トイレ行ってきていいですか?」

「おう!じゃ、ここで待ってるな!」

トイレに入ったのは、鏡が見たかったから。

女子ってやっぱり、身だしなみは誰でも気にするから。

トイレから出る。

さっきのところはー。あれ?どこだっけ?

人が多くて、どこだかわかんない。

背の大きくないあたしにとって、最悪なパターンのやつだった。

流れに沿って歩いてると、やっと広いところに出た。

「ふぅ。」

一息ついてると、

「わぁ。可愛いね?1人ー?」

そう声をかけてきた、男の人三人組。
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