ずっと好きだった。
軽く無視する。こういうのは関わらないのが一番いい。

「ねぇ。無視ー?」

「無視しないで?可愛い子ちゃん」

手を強引に掴まれ、引っ張られる。

「ちょっと!なにするの!痛い!」

「いいじゃんよ~遊ぼうよ!楽しいよ?」

「結構です!やだ!離して!」

必死の抵抗も、男の人の力には勝てなくて。

助けを求めるしかなかった。

トイレなんていかなきゃよかった!

「ちょっと。そこのおにーさん」

「あ?今取り込みちゅ…」 

男が振り向くとそこには男よりも10cmは高い道隆先輩たちに囲まれていることに気づいた。

「その子俺達の連れだからさぁ。手ぇ出さないでくれる?」

道隆先輩は、あたしの手を掴んでた男の腕を握る。

「い、いくぞ。」

そういって、三人組の男はどこかに立ち去ってしまった。

「みちるちゃん!大丈夫?」

「心配したんだよ~?こっちで騒ぎが起きてて、
来てみたらこんな事に。もぉ。怖かったでしょ?」

あたしはなにも答えられずに、放心状態。

今まで、こんな怖い経験はなかったから。

びっくりしたのかな。多分。

涙が出た。
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