ずっと好きだった。
朝になって眼が覚めると、ベッドの横に布団が引いてあって、そこに寝ている翔馬がいた。

布団の中で丸くなってる翔馬。

寒かったんだろうな。

あたしは、ベッドの掛け布団を翔馬にかけた。

下に行って顔を洗ったり歯を磨いたりした。

ジュージューと、キッチンの方から音がしたから行ってみる。

「あら、おはよう。みちるちゃん」

「おはようございます。なにか手伝います!」

「えー?いいの?じゃあ、これ切ってくれる?」

翔馬のお母さんは、手際よく炒めものをしていた。

「昨日ね、翔馬が珍しく何かに悩んでたよー。

みちるちゃんなんでか知ってる?」

あたしは首を横に振る。

「そうよね。前にもこんなことあったの。

確か、卒業式の前の日…だったかしら。」

…卒業式の前の日になんで。

よくわからないまま、お弁当とか朝ごはんが作り終わった。
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