ずっと好きだった。
道
とうとう、夏休みに入った。
夏休みに入って、試合が近くなると共に、
練習は厳しくなる。
それでもみんな、頑張っていた。
「集合ー!」
「「はい!」」
監督の周りに一斉に集まる。
「いよいよ、来週試合だ。今日の練習は終わりだが、気を抜くなよ。
そして、一回戦目の相手は、無名な高校だ。
うちの方が断然上。だからといって手を抜いたりするな!
100点ゲームでもしてみせろ!」
「「はい!」」
監督、気合充分。
今日は、これで練習が終わった。
「あー!疲れたぁー」
汗だくの部員に、タオルと飲み物を渡す。
「お疲れ様です」
なんて言葉を添えて。意外と大変なんだよね。この作業。
ダムダムダム。
あれ?まだドリブルのおとがする。
音のする方に顔を向けると、翔馬がシュートを打っていた。
「翔馬って部活終わったあとなのに、よくあんなに淡々と打てるよな」
真島先輩が感心していた。
それは、部員全員が思っている事だった。
「あまりやり過ぎもよくないけどな。試合も近いし」