イデア
「比奈,こんなの解らないの?」
「う…うるさいなぁっ!」
彼が示す問題を私はじっと睨む。
確かに中学生レベルの問題だ。
解らないなんて論外なのかも。
でも…それも少しでも彼と喋るチャンスに繋がる。
そう思うと嬉しい。
だけど…サッパリ解らない私自身に対して憤りすら感じられる。
「やっぱ解んないっ!!甫芽,訳してよ!!!」
思わず叫んだ私の口を,彼の掌が覆った。
「う…うるさいなぁっ!」
彼が示す問題を私はじっと睨む。
確かに中学生レベルの問題だ。
解らないなんて論外なのかも。
でも…それも少しでも彼と喋るチャンスに繋がる。
そう思うと嬉しい。
だけど…サッパリ解らない私自身に対して憤りすら感じられる。
「やっぱ解んないっ!!甫芽,訳してよ!!!」
思わず叫んだ私の口を,彼の掌が覆った。