イデア
その後今に至るまで,意識は一体何処をさ迷って居たんだろう。

その後の勉強が身に入った訳が無い。


「帰ろうか。送るよ。」


そう言った彼の左を歩く帰り道。
私はまだ混乱していた。


ど…どぉしよ…
甫芽…変に思った…よね?

て言うか…私が言わせたことに…なるんだよね?

『好き』


…って。




-----好き…


そう言った彼の声色は,息が混じって熱かった。

ねぇ…甫芽?
あの言葉,どんな気持ちで言ったの?
この気持ちは独りよがりかな?
私の気持ち…気づいたの?


あなたの答えが知りたくて。

このまま夜空の下を2人で歩いていたい。
この道が永遠ならいいのに。
…でも直に行き止まりが来て…

「き…今日は送ってくれてありがとね。
明日からテストだけど,…私は何時もの場所に居るから…質問があったら来て…?」


精一杯虚勢を張って,手を振った。
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