イデア
甫芽…


そんな…私,甫芽に守って貰うだなんて…
そんな資格無いよ…


勝手に1人舞い上がって意地張って迷惑掛けて…


ごめんね…


「ごめん…なさい…っ」



微かな声でそう言うと,彼は笑ってこう告げた。


「比奈が怪我しなくて良かった。本当に。」




「甫芽…ってアレッ!!?」




その時初めて気がついた。

私たちの立場に。


甫芽は私の肩上辺りに手を付いて,落ちた衝撃からか息が荒い。
私は泣きそうになったからか顔が赤い。
甫芽は四つん這いのような姿で,私は丁度甫芽の下に潜り込むような形で横たわっていて。

つまり,甫芽が私を押し倒したような姿な訳で。
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