イデア
放課後,何かに誘われたかの様にF組に向かった。


F組には誰も居なかった。

が,汀紗の座っていた位置には,数点荷物が置いてある。

勉強中の様だ。


…と,そこに,見覚えのある文字のノートを見つけた。






私の字だ。






私が甫芽の為に書いたノート。



私が甫芽の為に-----…


甫芽の為に書いた!!!








私は思わず走り出した。

手に汀紗の鞄から抜き取った,携帯電話を握り締めて。
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