イデア
汀紗のまぁるい目が私の心底を探ってくる。



「本当に?」


「うん」


「嘘ついてない?」


「うん」


「本当に本当?」


「違うってば!!!!」





思わず声を上げた。


汀紗は驚いてちいさくごめんとつぶやく。






汀紗の声は,怖かった。




ひとつひとつ,私の胸にナイフの様に突き刺さった。
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