イデア
「…甫芽?」

「あ,…比奈。」


私の姿を見た甫芽は,視線を反らし気味に続けた。



「なんか,久しぶりだな。二人で喋るの…一ヶ月ぶりか?」



一ヶ月前------



あの日だ。
甫芽が汀紗の思いを私に伝えた…




無意識のうちに,左手首を握った。
< 98 / 100 >

この作品をシェア

pagetop