光の少女Ⅱ【救出編】
第1部 決断の刻
第1章 独り
『先に行け』
『次もまた会えるよ』
そう言った風夜と光輝が、夜天と雷牙が消えていく。
彼等に花音の伸ばした手は届かなかった。
「っ!!」
飛び起きた花音は、其処が自分の部屋だと気付いて、息をはく。
(そうか。私、泣き疲れて寝ちゃってたんだ)
そう思っていると、戻ってくる前のことを思い出して、再び涙が出そうになる。
それを堪え、花音は自室を出た。
「あ、花音。もう大丈夫なの?」
リビングに行くと、母がいて優しい笑みを浮かべる。
「お帰り、花音」
休みだったのか、父の姿もあり、同じ様に笑みを浮かべていた。
「お母さん・・・、お父さん・・・」
「一体何があったのか、聞いてもいい?」
戻ってきた時にあれだけ取り乱していたのだ。
いつかは聞かれるだろうとは思っていたが、今とは思わなかった。
それでも色々なことがありすぎて、一人で抱えるのは無理があった。
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