光の少女Ⅱ【救出編】
「俺が氷の一族。向こうでの名は、凍矢」
「私が音の一族。向こうでは、琴音と呼ばれていたの」
「私は草の一族。美咲って名前だったよ」
「俺は時の一族。少しだけど、空間も操れたんだ。刹那って名だった」
「私は星夢って名前だったの。星読の一族で、未来を視ることが出来たの」
蒼に続いて、梨沙、未央、彼方、飛鳥が言う。
「俺達は、幼い頃この世界に来て、向こうへ戻ったことがないから、向こうでのことをほとんど知らない。・・・一体、向こうで何が起こった?」
蒼の言葉に花音は口を開いた。
異世界へ飛ばされてから、戻ってくるまでのことを順に話していく。
話が終わった時には、未央は涙ぐみ、あとの四人は難しい顔をしていた。
「・・・色々、辛かったんだね・・・、花音ちゃん・・・」
「って、何で貴女が泣いてるのよ!」
涙を拭う未央に、梨沙が呆れたような視線を向ける。
「・・・そうか、陰の一族がそこまで・・・」
「私、何も出来なかった。・・・昨日だって、月城君が来てくれなかったら・・・」
「花音、これ見て」
「?」
不意に飛鳥が、ポケットから取り出したブローチを見せてきた。