光の少女Ⅱ【救出編】

風夜が王の部屋を出ていってしまってからすぐに後を追って出た花音が彼を探していると、ちょうど外へ出ていくのが見えた。

一人にしてほしいと言っていた風夜をこのまま追いかけていいのか、少し迷う。


(・・・でも、やっぱりほっとけないよね)


そう思い、後を追って外へ出る。

しかし、そこには風夜の姿はなく、花音は歩き出す。

彼がいたのは、街の中央広場だった。


「風夜・・・」

「・・・・・・」


戸惑いがちに声を掛けると、無言のまま振り返ってくる。

その表情には何の感情も浮かんではいなかった。


「風・・・夜・・・?」


操られていた時のような表情に思わず息をのむ。

すると、突然風夜が笑い始めた。


「ふっ・・・、はははははっ」

「!?」


いきなりのことに花音が驚いていると、彼は自分の手で目元を押さえた。


「俺が・・・魔族・・・?あいつらと同じ・・・、魔族だって?風の国を占領した陰の一族を裏で操っている奴等と俺が同じ・・・」

「風夜!」


もうそれ以上は聞いていたくなくて、花音は少し強い口調で彼の名を呼んだ。
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