光の少女Ⅱ【救出編】

「!!」

「確かに風夜の身体には、魔族の血が混じっているのかもしれない。でも、それが何?」

「何って、怖くないのか?」

「怖くないよ。魔族の血が流れていたとしても、風夜は風夜のままだよ。だから、怖がる必要もないよ」


花音がそう返すと、風夜は信じられないというような表情をする。それを見て、花音は続けた。


「大丈夫。もしこの先、風夜がその血に振り回されることがあったとしても、私は信じてるから。風夜なら、大丈夫だって。何があっても戻ってきてくれるって、その血に負けることはないって」

「・・・」

「皆だって受け入れてくれるよ。だから、ね?」


言って笑みを見せると、風夜は一つ溜め息をついた。


「全く・・・・・・、敵わないな」

「じゃあ、この話はおしまい。そろそろ戻らないと、今度こそ皆に、怒られちゃう」

「・・・そうだな」


そんなことを言って、花音と風夜は踵を返した。
< 103 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop