光の少女Ⅱ【救出編】
4
バンッ
壁を叩く音が狭い室内に響く。
「くそっ、どいつもこいつにも逃げられ、宝珠まで奪われるなんて・・・」
「それもあの忌々しい闘神共のせいだ」
「随分、荒れてるわね」
二人の男が苛ついているのを見て、女が言う。
「だが、確かに奴等にはしてやられた。お陰で我等のプライドはズタズタだ」
それまで黙っていた男の言葉に、窮姫が急に笑い始めた。
「何?どうしたの?」
「いや、ちょっと面白そうなことを思い付いてね」
窮姫はそう言うと、妖しい笑みを浮かべた。
「・・・覚悟が決まるまで、前に現れるな・・・か」
窮姫達がいるのとは別室。一人でいた火焔は、風夜に言われたことを思い出していた。
(俺は、国を、民を選んで、あいつらを裏切った。・・・だが、完全にあいつらを捨てることも出来なかった)
「それが、あいつには中途半端な位置に見えたってことか」
そう火焔が呟いた時、扉が開いて、水蓮と大樹が顔を覗かせる。
「・・・何だ?」
「何があったか知らないけど、今すぐ兵を大広間に集めろって言われたんだ。火焔がいなかったから、火の国の兵士にもそうするよう伝えてしまったけど」
「ああ。それで、俺らにも来いってか?」
「そう。まあ、風夜達に逃げられ、宝珠まで持っていかれて苛ついていたみたいだから、何か仕掛けるつもりなのかもね」
「・・・」
水蓮のその言葉に、火焔は何も返さなかった。
バンッ
壁を叩く音が狭い室内に響く。
「くそっ、どいつもこいつにも逃げられ、宝珠まで奪われるなんて・・・」
「それもあの忌々しい闘神共のせいだ」
「随分、荒れてるわね」
二人の男が苛ついているのを見て、女が言う。
「だが、確かに奴等にはしてやられた。お陰で我等のプライドはズタズタだ」
それまで黙っていた男の言葉に、窮姫が急に笑い始めた。
「何?どうしたの?」
「いや、ちょっと面白そうなことを思い付いてね」
窮姫はそう言うと、妖しい笑みを浮かべた。
「・・・覚悟が決まるまで、前に現れるな・・・か」
窮姫達がいるのとは別室。一人でいた火焔は、風夜に言われたことを思い出していた。
(俺は、国を、民を選んで、あいつらを裏切った。・・・だが、完全にあいつらを捨てることも出来なかった)
「それが、あいつには中途半端な位置に見えたってことか」
そう火焔が呟いた時、扉が開いて、水蓮と大樹が顔を覗かせる。
「・・・何だ?」
「何があったか知らないけど、今すぐ兵を大広間に集めろって言われたんだ。火焔がいなかったから、火の国の兵士にもそうするよう伝えてしまったけど」
「ああ。それで、俺らにも来いってか?」
「そう。まあ、風夜達に逃げられ、宝珠まで持っていかれて苛ついていたみたいだから、何か仕掛けるつもりなのかもね」
「・・・」
水蓮のその言葉に、火焔は何も返さなかった。