光の少女Ⅱ【救出編】

火焔達が光の街に滞在するようになって数日。


「今のところ、何も問題はないようだな」


火焔達につけている監視の者達の報告書を見ながら、光輝が言う。


「・・・姉上はどう思う?」

「えっ?」


急に話を振られて、花音は彼を見た。


,「あの三人のことだ。本当に此方へ戻ってきたと思うか?」

「・・・私は、そうだと思いたいんだけど・・・」


そう返した時、光輝の執務室の扉が開かれ、神蘭と封魔が入ってきた。


「どうした?」

「窮姫達が動いたようだ」

「えっ?」


神蘭の言葉に、花音は光輝と顔を見合わせる。


「夜天の所に入ってきた情報だ。奴等、魔族の軍勢を連れて、闇の国へ向かってきているらしい」

「俺達は、窮姫達を抑えに行く。魔族の軍勢を抑えるのに、千歳達と夜天、雷牙も連れていく」

「夜天くんと雷牙くんも?」

「心配するな。二人は前線へ連れていくわけじゃない。城へと送り届けるだけだ。それより・・・」


言いながら、神蘭が水晶のようなものを渡してきた。
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