光の少女Ⅱ【救出編】
「これを持っていろ」
「何だ?これ」
「私達が連絡用に使っていたものだ。私の物を貸すから、私には通じないが、封魔、龍牙、白鬼、鈴麗、白夜には通じる。もし何かあった時には連絡しろ。すぐに戻る」
「・・・うん。ありがとう」
「よし、行くぞ」
礼を言って水晶を受けとると、神蘭と封魔は部屋を出ていこうとする。
「待って!」
「ん?」
「えっと、気を付けて」
呼び止めて言った花音に神蘭はふっと笑みを溢すと、頷いて出ていった。
神蘭達が出ていってから、そんなに時間が経っていない内に、再び扉が開かれる。
「入るぞ。・・・やっぱり、いないか」
そこから入ってきたのは風夜で、部屋の中を見回してそう呟く。
「どうしたの?」
「少し前から、火焔達の姿が見えなくてな。それに父上の姿も」
「何だって?」
「おい!いたぞ!」
紫影が叫んで、飛び込んできた。