光の少女Ⅱ【救出編】
「やれやれ、やはりこうなりましたか。・・・やれ」
大臣の言葉に、背後にいた者が一斉に動く。
「くっ、離せ!」
「風夜!」
「おっと、そっちの女も押さえておきなさい!」
風夜が拘束されたのを見て、動こうとした花音も動きを封じられた。
「さぁ、もう一度聞きましょう。宝珠は・・・」
「渡さないと言ったはずだ!」
「・・・そうですか」
風夜の言葉に、大臣の目が細められる。
「・・・仕方ない。やれ!」
「・・・駄目!やめて!」
「やめろ!」
魔族の鋭い爪が伸ばされるのを見て、二人は声を上げる。
「やめませんよ。さぁ、やりなさい!」
その瞬間、二人の目の前で王の身体は幾つもの鋭い爪に貫かれた。
王の身体がスローモーションのようにゆっくり倒れていく。
「父・・・上・・・?・・・父上ぇーー!!」
動きを封じられている風夜が手を伸ばすも、その手は届かない。
「はははっ、あーはははっ」
それを見て、大臣が笑い始める。
「王・・・様・・・」
「さぁて、次は・・・お二人の番ですよ」
ひとしきり笑った大臣が身動きを封じられている花音達を見る。
「や・・・」
「待て!」
その時、声がして、何処からか火焔達が現れた。