光の少女Ⅱ【救出編】

光輝の屋敷へ戻った花音が王の部屋で見付けた本を読んでいると、扉を叩く音がして、凍矢が顔を覗かせた。


「花音、全員応接室へ来いだって」

「何?何かあったの?」

「いや。ただ、朝から何処かに行ってた神蘭達がそう伝えてきてな」

「わかった。今、行くよ」


そう返して、花音は本を置き、部屋を出る。

応接室に着くと、既に城へ戻っていた夜天を含めた全員が揃っていた。


「・・・揃ったか。・・・此処に集まってもらったのは、風夜のことだ」


神蘭のその言葉に、部屋の空気が重くなる。


「昨夜の件は、上に報告してきた。その際の話し合いで、当分の間、様子を見ることになった」

「様子を見るだけって、それだけ!?」

「ああ。昨夜のがあくまで暴走だと判断したうえでの判断だ」

「私達も、危害を加えない相手には、何も出来ないのよ」


封魔の言葉に、美咲が不満そうな声を上げる。それに白鬼と鈴麗が返し、龍牙が少し言いにくそうに口を開く。


「だが、次はない。もし次に暴走したら・・・、その時は・・・」


そこで言葉は切られたが、次に続く言葉は言われなくてもわかった。


「っ・・・、風夜、ちょっと来て!」


一人離れた所に立っていた風夜に近付き、その手を引いて応接室を出る。

後ろから呼び止める声が聞こえてきたが、構わず自室へと風夜を連れていった。
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