光の少女Ⅱ【救出編】
「姉上?」
「・・・何でもないよ。ね、行くだけ行ってみよう」
「だけど、お前、俺と二人で恐くないのか?」
「前にも言ったけど、恐くないよ。言ったでしょ、信じてるって。私は、風夜の味方だから」
「花音・・・」
その時、光輝がわざとらしく咳払いした。
「とにかく、行くなら早い方がいいんじゃないか?・・・あんまりのんびりしていると、俺の気が変わるかもしれないぞ」
「そうだね。よし、行こう」
「ああ」
言って、花音と風夜は部屋を出た。
「珍しいな」
花音と風夜が出ていってもまだ部屋の中にいた光輝に、夜天の声が聞こえてくる。
「何だよ」
「いや、あんなことの後じゃ、花音が何を言っても反対するかと」
「・・・・・・わかるんだよ」
ぼそりと呟いた光輝に、夜天は首を傾げる。
「・・・一人の辛さや寂しさは、俺もよく知ってるからな」
「・・・そうか」
光輝の言葉に、夜天はそれだけ返してきた。
最果ての森。
本に書かれていたその森についたのは二日後で、花音と風夜は森の奥にあるゲートの前にいた。
「本に書かれていたのって、これのことだよね」
「みたいだな」
ゲートの先にある世界の情報はない。
それでもここに来たのなら、行くしかなかった。
未知の世界な対する不安もあったが、それを振り払って一歩踏み出す。
そして、二人はゲートの中へ消えていった。