光の少女Ⅱ【救出編】


「何だか、今日は機嫌がいいね。何かいいことあった?」

「えっ?」


次の日、未央に唐突に言われ、花音は目を見開く。


「確かに、何だか嬉しそうだよ」

「うん。実はね」


梨沙にも言われて、花音は昨日、風夜と再会したことを話した。


「そうだったんだ。よかったね、花音ちゃん」

「うん!」


話し終わると、未央が嬉しそうに笑って、声を掛けてくる。


「いろいろあって、疲れてるみたいだから、今度紹介するね」

「楽しみにしてるよ」


梨沙もそう返してきて、花音も笑って返す。

その横で、飛鳥が難しい表情をしていたことには、気が付かなかった。


「花音」


帰ろうとして、飛鳥に呼び止められる。


「何、飛鳥ちゃん」

「気を付けて。・・・周りに貴女を狙う影が見えたの」

「それって、聖ちゃん?それとも」


風夜達と別れる原因になった謎の女を思い出し、首を振る。


「詳しくはわからないけど、貴女の近くにいる。油断しない方がいいよ」

「うん。わかった。ありがとう。でも、大丈夫だよ。今は風夜もいるし」


そう返すと、飛鳥はクスリと笑った。


「信頼してるのね」

「うん!あ、でも、風夜だけじゃないよ。皆のことも」

「そんな風にとってつけたように言わなくてもいいよ。それより、ほら、早く帰るんでしょ?」


言われて、花音は急いで教室を出る。


「・・・まさかね」


花音がいなくなった後、飛鳥がそう呟いたことは、知らなかった。
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