光の少女Ⅱ【救出編】
「・・・ん・・・?」
「花音!」
意識が回復し、目を開けた花音は、傍にいたらしい母に抱き締められて目を丸くした。
「お母さん?」
「よかった・・・、本当に」
「私・・・」
「帰ってきたら、貴女の部屋は荒らされてるし、姿もないから心配してたの。そしたら、月城君と日向君が貴女と風夜君を連れてきてくれてね。・・・陰の一族に、襲われたんですって」
その言葉に花音は慌ててベッドから下りる。
「花音?」
「お母さん!風夜は!?」
「客間よ。どうしたの、一体」
「ちょっとね」
そう返し、客間に向かう。本当に元に戻ったのかが気になった。
「風夜!」
「・・・花音?」
意識が戻っているのかも確かめず、飛び込んだ花音を中にいた風夜が少し驚いたように見る。
その表情が、だんだんばつの悪そうなものへ変わるのを見て、花音は口を開いた。
「・・・覚えてるの?」
「・・・ああ。全部な。・・・悪かったな」
「ううん。でも、よかった。またこうやって、話が出来て・・・。・・・おかえり」
そう言った花音に、風夜は少し目を見開いて、直ぐにいつもの表情へ戻った。
「ただいま」
その言葉に花音は笑みを浮かべた。