光の少女Ⅱ【救出編】
「・・・駄目よ」
「どうして!?」
夕食後、もう一度向こうの世界へ行きたいと言った花音に母が言う。
それに納得出来ず、声を上げると、父が口を開いた。
「花音。私達は、お前が向こうでも安全に暮らせることを条件に残ることを許したんだ。なのに、風の国が制圧されたうえ、火・水・地の一族が陰の一族と共に、残りの国へ侵攻しようとしているそうじゃないか」
「そんな状況なのに、いかせるわけないでしょう」
「でも!」
「でもじゃないの!・・・花音、私達は、貴女を心配してるの。私達の気持ちもわかってちょうだい。・・・さぁ、この話はもうおしまい」
そう言った母と父がテレビでやっていたニュースの話を始める。
それを聞きながら、花音はそっとその場を離れた。
「・・・いいのか?」
両親が眠ってしまってから、そっと家を抜け出した花音に、風夜が声を掛けてくる。
「うん。何を言っても、今はきっと許してくれないから」
「・・・そうか」
「でも、どうしようか?お父さんとお母さんに内緒で出てきたから、どうすれば向こうに行けるか・・・」
「それなら、大丈夫よ」
「「!!」」
聞こえた声に、花音と風夜は振り返る。
そこには、蒼、梨沙、未央、彼方、飛鳥の五人の姿があった。