光の少女Ⅱ【救出編】
「見えた!あそこだ!」
風夜が言って、飛竜が降下していく。
「此処が、飛竜の里・・・」
飛竜から下りて、花音は辺りを見回す。
そこには、様々な色をした飛竜達がのんびりと暮らしていた。
「さてと、じゃあ、私達は自分達の飛竜を探してくるから」
「適当に時間を潰しててね」
琴音と美咲がそう言って、凍矢、刹那、星夢と行ってしまうと、その場には花音、風夜、紫影だけが残された。
「時間潰しててって言われても・・・」
呟いて辺りを見回すが、飛竜達が思い思いに過ごしているだけで、何もない。
「ピィ、ピィー」
「ん?何?」
その時、声が聞こえて、何かがぶつかってきた。
「ピー、ピィー!」
「わぁ!可愛い!」
見ると、翼を入れても三十cm位しかない竜が一生懸命羽ばたいていた。
「触らない方がいいぞ」
「えっ?」
「飛竜は生まれた頃は、臆病でな。自分の身を守ろうとして、此方が触れようとしてきただけでも、噛み付いてきたりする。それに、人が迂闊に触ると、親が育てなくなってしまうこともあるんだ」
風夜のその言葉に、慌てて手を引っ込める。
「ピー!」
そんなことには構わず、飛竜の子は親なのだろう一匹の後を追っていってしまった。