光の少女Ⅱ【救出編】
「・・・う・・・ぐっ・・・」
「どうやら、あいつが熱も此方に伝わらないようにしてるみたいだな」
「そんな・・・、無理してるなら、止めないと!」
「止めたら、間違いなく蒸されて、熱気にやられると思うけどな」
「それでも、こんな状態じゃ、持たないよ!風夜!」
「・・・大丈夫だ。このくらい、何とも・・・」
花音が言おうとしていたことがわかったのか、無理矢理笑みを浮かべたが、次の瞬間勢いを増した炎に表情を歪める。
「ぐうぅっ!」
「風夜・・・」
余裕がなくなってきたのか、少しだが結界の中の温度が上昇する。
それでも、それは本当に僅かなもので、風夜にかなりの負担が掛かっているのは間違いなかった。
(このままじゃ・・・)
そう思った時、急に火竜が別の方向へ炎を放ち、飛んできた氷柱とぶつかり、辺りに水蒸気が立ち込める。
「おい!大丈夫か!?」
その時、聞こえてきた凍矢の声に、今攻撃を放ったのは彼だとわかった。