光の少女Ⅱ【救出編】
「何で此処に火竜がいるんだ!?あいつのすみかは、もっと南にある火山のはずだろ?」
「そのはずなんだけどな」
凍矢と紫影の会話を聞きながら、花音は地に膝をついて息を整えている風夜に近付く。
「大丈夫?」
「っ・・・!ああ・・・」
短く風夜が返してきた時、ピィピィと声がして、花音は服を引っ張られる。
見ると、先程まで親に寄り添っていた飛竜の子だった。
「何?どうしたの?」
「ピィ、ピィー!」
まるで此処から逃げろというように引っ張り続ける飛竜の子に、火竜の方を見る。
水蒸気が収まり、視界がよくなったせいか、火竜も花音達を見付けたらしく、再び火を吐き出そうとしていた。
だが、花音にはそれよりも気になることがあった。