光の少女Ⅱ【救出編】
「風夜、疲れてるところ悪いんだけど・・・」
「わかってる。お前らの準備が出来るまで、時間を稼げばいいんだろ」
そう言って、再び火竜が放ってきた炎を防ぐ。
「・・・ごめんね」
風夜の背に向けて呟くと、凍矢と紫影を見る。
「二人は火竜の動きを止めてほしいの」
「止めるって、そう長くは止めていられないぞ。いいのか?」
「少しでいいの。私が力を使って、火竜を元に戻す、その間だけで」
紫影にそう答えると、凍矢が溜め息混じりに口を開いた。
「こういう状況で動きを止めるなら、一番刹那が向いてるんだけどな。・・・今いない奴のことを言っても、仕方ないか」
そう言って、凍矢が能力を使うため、精神を集中させる。
それに続くように、花音も目を閉じて、集中し始めた。
(あと少し・・・!)
炎を防いでいる風夜が苦しそうに肩で息をするのを見て、焦りそうになる気持ちを落ち着かせる。
「凍矢くん!紫影くん!おねがい!」
声をあげると、視界の端で二人が頷き、火竜の足元から影が伸び、凍り付き始めて、拘束していく。
(今だ!)
集中して溜めた力を花音は放つ。それは火竜へ命中し、光が火竜の身体を包んでいった。