光の少女Ⅱ【救出編】
「でも、全員が普通に歩いていたら、怪しまれないか?」
「確かに。少しは抵抗したようなあとがないと、おかしいかもね。よし」
星夢がそう言って、風夜、凍矢、刹那を見る。
「貴方達三人、少しくらい怪我してくれない?」
「はっ?何で俺達が?」
「何?それとも、男のあんた達が無傷で、私達に怪我しろと?」
不満そうな声を上げた凍矢に、琴音が声をあげる。
「まぁ、そんな怪我にこだわらなくても。意識を失わせるだけで充分だろ」
「そっか。そうだよね。じゃあ、入る時は男子三人をよろしくね」
「・・・そこは譲らないんだな」
にっこりと笑った美咲に、刹那が肩を落とした。
「と、とにかく行こう」
「そうだな。飛竜達は、此処においていこう」
「ピィ?ピィー!」
風夜の言葉に、他の飛竜達とじゃれあっていた白亜が慌てて飛んできて、花音の肩に止まる。
「ピィー、ピィー!」
「どうしたの?もしかして、一緒に行きたいの?」
「ピッ!」
肯定するように鳴いた白亜に、思わず苦笑する。
「仕方ないか。その代わり、大人しくしてるんだよ?」
「ピッ!」
離れないというように肩に強くしがみつく白亜に言うと、わかったというように鳴いた。